Sunday 10 March 2013

日本 vs オランダの野球対戦!

小さな頃、父の影響もあり、熱狂的なプロ野球好きだった自分。その最盛期には、毎週野球雑誌を読み、野球ニュースを見、ついには12球団2軍選手まで覚えてしまうほど!それが今や、殆ど見ることもなく、知っている名前・顔と言えば、殆ど監督やコーチ。

それはさておき。そのような過去の知識しかないため、野球が強い or/and プロ野球チームがある国と言えば、アメリカ、キューバ、日本、韓国、台湾。まさか欧州の国、それもオランダが世界大会に出るほどとはつゆ知らず。日々のニュースを見ていると、オランダの快進撃の様子が放送されていることに驚く。そして雑談ついでに日本の方とお話をした時に、アメリカの大リーグに進出している選手や、日本で活躍している選手がいるとか?でもそれでも、サッカー・スケート・自転車競技以外にオランダ人が熱中して野球をする姿が何となくピンとこなかった。

そのような中、何とそのオランダと日本が対戦!さすがに野球の「や」の字も知らない我がパートナーも、少し盛り上がり。中継しているマイナーなケーブルテレビ局と思わしきところを見つけ、試合開始から観戦。ただ見ていると、何だかやっぱり未だ違和感がある。そう、選手の顔や体つきが違うのだ。はて・・・と思っていたところ、友人からの情報。「オランダのチームは、南米のオランダ領出身の選手が多いらしい」。はは、なるほど、やっと腑におちた!

オランダ領アンティラと呼ばれた(ている)、カリブ海にある小さな島々。かつてオランダの奴隷貿易の拠点として、活用されていた場所。Delft TUのオランダ語コースのテキストでも1つの章として取り上げられているのだが、オランダががその関係性をどうしていものかと悩み続けていると言われているらしい。常に色々な議論があるようで、教授でさえ「この日の授業をする前に、はたと、最新の状況って結局どうなっていたか分からなくなり、同僚と話をしたけど、誰も分からなかった」とか。。

1つとしては、経済的に自立するのが難しい状況にあること。そもそも面積も小さいし、人も少ない。また主にできる産業が少ないこと、そして国民性。半数ほどの子供たちが、学校と途中退学して、犯罪に走ってしまうという話しも。オランダ王国に属している(属し方もまた一律でなくてややこしい様子だが)ために、やはりおんぶにだっこ状態に近いところもあり、「オランダがから切り離せ!」という意見から、「かつて植民地としてきた以上、責任を持たなくてはいけない」という意見まで、多々あるらしい。

また経済上だけでなく、政治的にも1つ。小さな領土といえども、比較的近いところに反米国が幾つかあり、もし完全独立しようものならば、反米国側についてしまい、反米勢力を少しでも広げられては困るという思惑もあるらしい。

そんな訳で、授業の際にも、様々な国から集まる生徒でなるクラスのなかで、様々な質問が出たり、議論をしたのだが、結局すっきりした結論は出ず。ただ十分センシティブで、解決が一筋縄ではないことだけはよく分かった。

でも今回こうして野球のゲームを見ていると、しっかり「オランダ代表」(オランダ国籍を持っているから当然とはいえ当然だけれど)として、オランダを代表し戦っている。そしてニュースでは、その快進撃を称えている。あれだけ授業で、Advantageが何もないかのような方向性で議論がしぼんでいった地域、それでもこれだけの選手を輩出しているのであり、それが評価されていないようで、何だか少し複雑な気分になる。

ともあれ。暫くお互いの国の快進撃を楽しみに見守って行こうかな。

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