Tuesday 5 March 2013

子牛との格闘!

ここ最近、オランダ語コース時以外は、朝夕お手伝い中の牧場。羊の出産期に突入した今、非常にやることが増えている我がパートナー&家族、微力とはいえどもできる限りサポートできたらなと思っている。

でもこんな繁忙期な中、我がパートナーの日本出張が入る。ということで、この不在中、委託で飼育している子牛80頭のお世話は我が細腕へ。今までもそうなのだが、「これして、これして、これすれば大丈夫」とマニュアル的な指示を受け、大体が普段のお手伝いでやっていることなので、「はいはいはい、分かってるから大丈夫~」というと、何かが起きる。。そして今回も起こってしまった。

朝子牛の舎のドアを開け、作業のための場所に向かおうとしたところ、2-3の大きな牛の糞を発見。それも構造上、絶対に柵の中にいる子牛たちが糞など落とせない場所。怪訝に感じ、端のグループを見ると、各セクション5匹いるはずの子牛が、4匹しかいない!一瞬、「あれこのグループって4匹だけだったけ?」と錯覚に陥りかける。でも柵は高いし、どこも壊されている後もないし、こんなところを飛び出るはずがないのではと思っていると、どこからか異常に大きな鳴き声。何と、本当に1匹、本来いた柵のなかから飛び出して、牛舎の端っこの方で鳴いている・・・! どうやって飛び出たのだか!

まずは駆け寄ってみると、震えて恐れて更に端っこへと逃げて行く。子牛といえども、結構な大きさ&重さ。さすがに抱きかけて戻すことも、ひっぱって戻すこともできなさそう。とにかく子牛自身にもといた柵のあたりまで歩かせるしかない。でも、各グループの柵の後にこの子牛がいることで、他の柵の中にいる子牛たちが珍しそうに柵を隔てて彼女に近づき、かまってもらえるからか、さらに動こうとしない。 ということで、どうしたものかと考えた末、暫く放置することに。様子を見つつ、やるべき餌やり作業を淡々と続ける。それに他のグループに餌をあげ出すと、お腹がすいている子牛たち、餌にいちもくさんに駆け寄り、逃走子牛を構わなくなる!

少し他の子牛たちが落ち着いたところで、また逃走子牛を戻すためのアクションへ。お腹がかなりすいているはず、ということで、自分が近づくと恐れるので、戻ってこさせたい方向へ、餌を少し小山盛りに置いて、自然とこちらに歩いてくるよう誘導を図る。すると狙い通り、少しずつ戻ってくるのだが、ある地点にくるとピタッと足を止めて、端っ子にまた戻ってしまう。。次にはバケツに餌を入れて、目の前に見せながら、少しずつ本来の場所へと持って歩くも、やはり一線を越えない。

えーい、重そうだけど、面倒だから、後ろから押して檻に押しこんでしまえ!と、何とか子牛の後に周り押してみるが、やはりこれまたある地点を境に止まってしまい、抵抗して自分の足を思い切り踏みつける。。(結構痛い…)  などなど、格闘すること1時間半以上。さすがに力のない自分ができることはもうないと思い、諦めかけて放っておいたところ・・・・ 近くでぶら下がっていたビニール紐を食べだす。こんなもの食べちゃダメと紐を取り上げて、別の場所の置いたところで、悪い知恵が働く(!) 

餌の入ったバケツを持っている自分が近くにいるから怯えるのかもしれないので、バケツに紐を巻き付けて、食いついてきたところで、そろりそろりとバケツを引っ張り、もといた囲いのところに戻せるかも!と。この作戦はかなり好調。かなりお腹をすかせていることもあり、かなり前進。ただし、何故か自分の檻の鉄格子が見えたところで、ピタッと足を止めて、一線を越えようとしない。ただ近づいてはきたので、自分が牛の檻のなかに入り、他の牛がでないように身体を張りながら、辛抱強くこの作業を続ける。ラッキーなことに、他の子牛たちは、異常に自分になつき、楽しそうに自分の作業着にかみついてひっぱってみたり、なめてみたり、全く逃走の気配なし。

格闘すること30分近く、、、とうとう餌入りバケツに促されるまま、暫く全く越えようとしなかった一線を超え、自分から自然に柵を越えて、檻のなかに戻ってくる。やった!そして、戻った後は、何事もなかったかのように、ゆっくりと所定のえさ場の餌を食べ始める。こちらの苦労も知らず!(なんちゃって) ということで、何ともチャレンジング(!?)な課題、無事解決。でもここで試した事柄は、結構大学学んだ動物行動心理学での学びを活かしたように思う。まさかこんなところで活きてこようとは・・・・なんて。


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