Tuesday 12 March 2013

「ソト」で暮らすこと。

3.11により、沢山の悲劇が起こり、社会が抱えていた多様な矛盾のほころびが生まれ、多くの人にとって人生や社会について考え直させられる機会が生まれたように感じる。そして、人がそれぞれが感じた内容や受け止め方、その後の行動は千差万別であるが、私たちはそれぞれをRespectすべきかなと個人的には思っている。

その数あるストーリーがある中で、今年の3.11.の中でひっかかりがあったもの、それがこのお話。中国からの留学生が記録したドキュメンタリーおよびそれにまつわるお話。何故今これがというと、自分が日本を離れ、移民の少ない小さな村で生活を始めたところであり、これまでも結論出ずともブログで時折想いを綴ってきており、こうした話しに感受性が高くなっているから、という事情もあるように思う。

心に響いた要素は幾つかある。まずこのドキュメンタリーを制作した留学生。日本という国に興味と意志あって留学していたものの、居住する地と、勉強・アルバイトする地を行き来するばかりの日々。ネットワークも限られる。そのなかで3.11が起こり、ご両親の願いもあり国に戻るが、心にひっかりを覚えて、日本に戻り、このドキュメンタリー制作に行き着く。この、何か1つのものへ強い興味を抱くこと、そして自分が興味を持ったものへ足を踏み出すという勇気、そして行動。更にはそこから更に学びとっていく内容と、最後に達成していったこと。この成長の様子を読み、妙に頭を殴られたような、目を覚まさせられたような気持になった。

そして勿論、彼女がドキュメンタリーを撮るにあたって出逢った、海外から日本の農漁村部にお嫁に来た女性たち。単身、言葉も文化も分からずに一人嫁いできてからこれまでの格闘の話、3.11をきっかけに力強く立ち上がり、更には周りを巻き込んでいく逞しさ。ここで取り上げられていることを抜きだすと・・・ 

"The reason we are able to send encouraging messages to our neighbors is that we have firsthand experience of leaving everything behind when we came to Japan."

"That is," she said, "why we can tell Japanese neighbors, 'hey, let's start from the scratch again.'" 

と。彼女たちは、自分が日本を後にしてオランダに来た時の比ではない、言葉で表せないほどの物凄い覚悟と意志を持って行動してきたことを痛切に感じる。そしてもしかしたらその覚悟以上の、すさまじい格闘を続けた上での今なのではと。だからこそ、逆境を経験していない人間が誰かを励ますために言っても表面的にしか聞こえないかもしれないが、let's start from the scratch again"という言葉にはものすごく迫力を感じる。 

この記事を読んだ時の、自分の心が揺さぶられた気持ち、うまくまとまりつかず、文章にもしきれないのが歯がゆいが、今の自分への反省と、小さくとももう少し一歩を踏み出す強さを持てる自分になりたいとの気持ちがこみ上げてきた。言うは易しだけれど、ともあれこうした”出逢い”に感謝。

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