Wednesday 20 March 2013

オランダ テロ脅威度引き上げ。

ここ最近、世界の色々な場所で衝突・テロ類のニュースが毎日尽きない。勿論、治安が比較的良いとされるところであっても、事故などもあるし、完全に安全な場所はないとは思うが、「危険」とされる地に行かなければ、「テロ」とは無縁かと思っていたが。

どうもどうやら徐々に身近なことになっているように感じる。例えば、イギリス留学時のシリアのクラスメイトたちの動き。特にイギリスの国の奨学金をもらったり、シリアの大統領府で働いていた友人は、子供を連れて、ベルギーに難民として移った様子。そしてもう一人は、奥さんだけまずは同じくベルギーに難民として移ったらしい。最近Facebook上に出していた本名も、分かる人には分かるが、本名を隠して始めている。

そしてさらに、ここ最近日本大使館さんからのメールにて、オランダ政府が、テロ警戒のレベルを、「限定的」から「相当」へと引き上げたとのニュースを知る。(4段階評価のうち、上から2番目) 大きな理由は、イスラム系の移民の一部が、アフリカのマリなどの戦争に加勢しに出向いているようで、ここでイスラム過激派から洗脳されてオランダに戻り、テロを起こす可能性があると踏んでのことのよう。とはいえ、TVのニュースを見ている限りは、こうした移民の動きについて聞いたことがなく、へぇという程度だった。

そのような中、今日とうとうて、マリに出向いたモロッコ系オランダ国籍の人が、現地で加勢中に亡くなったというニュースを耳にし、少し緊張感を感じる。何年か前にロンドンで、過激派に染まってしまった移民によるテロもあったし、今回のオランダ政府の警告は決してありえない話ではない。

でも一方で、モロッコ、トルコ系の移民に関して、ひとくくりにして問題視したり、差別的な物言いをするのを聞くと、これまた少し疑問を感じる。そして思い出すのが、このテロがあった前後でイギリスに留学していたため、インド・パキスタン系のクラスメイトたちが、キャンパス外の大都市に出かけた時にうけた差別的扱いの話し。電車やバスに乗っていると、じろじろと見た挙句、できる限り遠い席に行こうとする人達。また身体を傷つけることを禁止されているイスラム教徒でないことを示すために、敢えて片方の耳だけにピアスをしたり。当時、自分が仲が良い仲間が、街の中に飛び出すと、見た目から判断された差別を受ける話しに心が痛い思いをした。

確かに問題を起こしている集団もいるのは事実である。グループで固まってしまいオランダの言葉や文化を学ばず孤立する、働かずに犯罪に走りやすいなどの様々な問題点があるようだから、彼ら側にも問題はあるかもしれない。ただ、こうした移民の中にも、非常にスマートで、勤勉で、謙虚な人達も、少数かもしれないがいるのも事実。少なくとも自分が通った大学の語学コースで後者の勤勉な移民の人達のイメージの方が強い自分にとっては、複雑な想い。

それに、もともとの発端は、第二次大戦後に国が急速に発展し、労働力不足になったときに、モロッコ・トルコを中心とした国から必要な労働力として連れてきて、比較的簡単に、本人および芋づる式にやってきた家族含めて、移住許可や国籍をあげてしまったことから始まっていると聞く。第三者である自分から見ると、何となくどっちもどっちという感じがしないでもない。

と・・・かなりとりとめなくなってしまったが、遠い国で起こっていたテロ活動は身近に迫ってきているかもしれないということ、また一方で過激派に走っているグループと同じ属性と見られる人達への差別がさらに増し始めていること。でも、できる限り、特に1on1で相対する時には、その人個人として接することができる自分でいたいなと思う。

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