Wednesday 15 August 2012

一番「日本」という言葉を聞いた日。

今日は日本の終戦記念日。原爆投下の日を含め、ここ数日来、日本の新聞社のニュースを読んでいると、第二次大戦関連のイベントや、過去の振り返りが多い。また丁度、インドの独立記念日でもある。Facebook上では、インド人の友人たちが独立を祝う言葉もちらほら。

改めて色々と歴史や、日本について学び・考えてみたいなと思っていた矢先。いつも聞き流しているオランダのTVニュースから、何度も「Japan (ヤーパン)」の単語が出てくる。オリンピック期間中にも時折我が国の名前を呼ばれることがあっても、この異常なリピート(ひどい時には1分間に4-5回)はただ事ではないと思い、映像も見てみる。すると、イベントに参加しているオランダの首相が何やらインタビューに答えている様子や、イベントの映像が流れる。みな神妙な面持ちで、列になってイベント会場前方を通る際に立ち止まり、去っていく。参加者は白人系が多いが、インドネシア系オランダ人の姿も。何やらインタビューも受けているが、残念ながら未だ理解できない。

更に見ていると、今度はドキュメンタリーのようなものが始まる。一部が英語(オランダ語字幕)になり始めたので、やっと状況が飲み込み始めた。インターネットで検索してみると、日本においては終戦記念日、つまりは日本が第二次大戦に敗戦した日。裏を返せば、連合軍(米・英・ロシア・フランス・そしてオランダも)が勝利した日。どうやら、イギリス・オランダでは、この日は「日本への戦勝記念日」に定められているらしい。

特に、植民地にしていたインドネシアを巡って日本に一度は敗れた形をとり、植民地を失ったばかりでなく、現地にいたオランダ人は日本軍からよからぬ扱いを受けたらしく、日本は非常に悪いイメージを持たれている様子。以前にオランダ関連の本を読んだ時にも、一部のオランダ人は日本人のイメージが非常に悪く、本の著者たちが罵られたり、議論を吹っ掛けられたような話しも見かけたことを思い出す。特に、インドネシアに先祖や家族が住んでいた人達にとっては、直接経験した話しを語り継がれられているだけに、その憎悪の気持はなおさら強いのかもしれない。

更にオランダ語が未だ完全に理解できないまでも、映像やら一部の英語になっている部分を聞いているだけでも、テレビで、如何に日本がひどいことをしたか、イギリス人、アメリカ人、オランダ人およびインドネシア人にインタビューを重ね、一方的なバッシングが続いている様子。でもふと思う。確かに何かで、インドネシアでは、インドネシアがオランダの植民地化から解放され、日本の侵攻を好意的にとらえている人もいると聞いた気がする。とすると、もしこのテレビ番組が一方的に日本が悪いという部分を際立たせる証拠・証言を集めて、報道していたとすると、それはそれでやるせない気持ちがする。現に、植民地に対してやってきたこと、その後のインドネシア独立宣言に対して仕掛けたオランダの戦争については、全く触れられていない。幾つかのことは事実であったとしても、立ち位置や解釈、また事実のつなぎ合わせ方で、いか様にでも正論化できてしまうこと、またワンサイドな事実しか見えずに物を考え・発言する怖さを、改めて感じさせられた。

実際、恥ずかしながら、オランダに来る前までの自分にとって、400年以上のお付き合いがあり、唯一鎖国中に開国した国。沢山のことをオランダから学んだし、影響を受けたということだけが知識だった。更にオランダに移住してきてから、未だ実際には一人として、「二次大戦での日本」について言及されたこともなく、日本人だからという理由で毛嫌いされた経験もなかっただけに、今回、こうした「日本に勝った日を祝う」日があること、こうした日本バッシングが強い語り継ぎが今も強く続いていることに、ある意味のショックを受けた。

またふと、中学時代に、日本軍が中国でした仕打ちについて、教科書には書かれていなかった事実を、当時中国にいらっしゃった日本人画家の方から絵と話しで聞いたことも思い出した。如何に日本国内での歴史教育が、沢山の事実を教えずに来ているという事実を改めて考え直させられる。また話が飛躍するが、今回の原発事故にあたってもそう、沢山の事実が国民には知らされぬまま時が経っている。今少しずつ情報公開されているが、氷山の一角に過ぎないように思う。日本の中にいると、実は沢山の事実を知らされていないのではと。

未だ勉強不足だし、検証不足なので、第二次大戦のこと、日本のこと、自分にとってどうとらえて良いのか分からない今は、自分の考えとして発することは何もできないが、しっかりと多角的に学ぶこと・考えることをもう少ししっかりしていきたい、また日本・日本人について改めてしっかりと見つめ直したいと強く感じた日であった。

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