Monday 13 February 2012

オランダエッセー by 日本人。

以前少し触れたのだが、在オランダ日本大使館の図書室からお借りした本たち。その中には、オランダに在住した日本人の方々の書かれたエッセーが何冊かあった。本を書かれているだけあって(?)、オランダへの想いが溢れていることを感じる。

それらの本のうち、今日はちょっと一冊ご紹介。外務省から在オランダ日本大使館に赴任されていた若い日本女性が書かれていた本。彼女のオランダ・日本両国への想い、そして懸け橋となろうとした情熱がほとばしっている。若い時にこのような密度濃い異文化体験をされていることが羨ましい。

この本では、オランダ人の全般的な性格を、歴史的・文化的背景から分析した記述が沢山。色々な事実を紡ぎ合わせて深い洞察を持たれているなーと感心。ここオランダの小さな村で、オランダ人だけに囲まれて暮らし始めて、私自身が、「もしかしてこれって?」なんて思うことが大体カバーされていて、点が線でつながった感があり、非常に面白かった。ちなみに、一部、オランダ人を持ち上げすぎ!?と思うところもありつつ、彼女の深い愛情があってなので、全く嫌味がない。

また異文化:異国籍の人たちに真摯に向き合ったからこそというところで、良い意味で「日本人としての自分」を意識し、日本/日本人の良き部分を自分の頭と心で考えられているところは、私自身がこれから心がけたいなと思うところであった。ちなみに、彼女がオランダで、日本の武道や世界で活躍する日本人芸術家との出逢いを通じて、世界に通じる日本人についてこんな風に記述している。「人を信じる心、謙虚の心、和を尊ぶ心。・・・・・世界中で経験を積むことで、日本人としての自分が筋の通った形で常に自分の中にある。日本の美しき心が自然に外に出る」

その他面白かったところでは、オードリー・ヘップバーンについての記述。実は彼女はオランダ人の母を持ち、戦時中オランダに住んでいたとのこと。その後の彼女の生き方や考え方に、オランダ的なものが根付いている点の言及も非常に興味深かった。名前は知っていても、その生い立ちや詳しい人生はあまり知らなかった。ちなみに、オランダつながりというだけでなく、この著者自身がオードリーに共感し、人としての幸せを追求している姿勢が見え隠れし、その後、退官するという選択肢を決断したご自身を重ね合わせているように見える。いつか彼女があげていたオードリーの伝記を読んでみたい。(アマゾンで探したけど、中古しかなかった!) 

全般的に非常にさらさらと読め、色々なオランダへの洞察や、女性が生きること、日本人として生きることなど、考えさせられる点があり、今の自分にとってはかなりGood to readでした。ご興味があれば、、是非!

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