Tuesday, 10 July 2012

日本企業のグローバル人材マネジメント。

随分と長く言われてきていることだと思うのだが、日本企業が海外でビジネスをする場合、大きな1つの課題とされているのが、現地採用の人材活用。

通例だったのは、(大抵は)日本から、「優秀」な「日本人」人材を海外に駐在させ、マネジメント経験を積ませた上で日本に戻すトレーニング目的だったり、現地の人達をうまくマネージできないから日本人を送ったりだったのではないだろうか。

でも、そもそも駐在で行っても、日本人コミュニティーから飛び出せず、本当の意味でのグローバル経験ができているか分からないとか、上にはいつも日本人が多くて、昇進が頭打ちのため、ローカルでいくら優秀な人を採用しても辞められてしまうなど、昔からあまり状況が変わらないことが多いように思う。(特に最近このテーマについて研究をした訳ではないので、定性・定量的データがあるわけではないので、あくまで感覚なことはご容赦)

ただ日本国内のビジネスだけでもかなりの稼ぎを取れた時代から、海外の市場でもしっかりと勝負しなくては規模が稼げなくなった今、↑のような状況の改善をするとともに、ビジネスを本気で伸ばすためには、改めて「通例的」な日本の会社の海外人材マネジメントについてテコ入れをする時に来ているのではないかと思う。(気づいている人はもっともっと昔から指摘しているけれど。。)

こんな風にブログを書いたのは、自分自身がオランダに来て、非常に狭い世界ながら見聞きして感じるのは、駐在で派遣されていない現地採用の日本人へのレスペクトの少なさ。特に、現地パートナーがいてここに住んでいると、会社がWorking Visaを手配する必要がない、日本語は勿論現地の言葉(或いは最低でも英語)を話せるなど、会社にとっては格好の「使いきり」人材。

更にはここに来て愕然と突きつけられた事実。オランダ語の勉強を優先させたいけれど、授業代位は稼げないかなと、とある日本企業のパートタイムに応募してみたところ。仕事内容は、日本語&英語、思わくばオランダ語ができ、日本人駐在の人とそこまで遜色ないほど依頼をすることを想定していながら、最初の3ヶ月間は試用期間で、時給10€。交通費も支給なし。

この事実の何から憤慨したかというと。まず第一に、オランダでの「パートタイム」の定義は、日本の所謂「パートタイム」と違い、フルタイムでできる仕事を、本人の希望により限定した時間で仕事をすることであり、当然給与も格差をつけてはいけないことになっている。また仮にもホワイトワーカー(企画職)に対して、ファーストフードの学生アルバイトなどのめどになるような最低賃金に近い金額設定をしていること。最後に、「試用期間」とは、日本でだって、「給与を極端に安く抑えて人材をトライアルで使う」ことではないと思うのだが、本当に勝手な定義をしたものだ。

自分が日本で仕事をしていた頃、チームのアシスタントとして派遣会社から来てくださっていた方々を考えると、「日本語&英語で仕事ができて、卒なく仕事をできる」となると、かなり重宝されたように思う。派遣会社から来ていただいていても、最低でも時給2500円前後はあったように思う。

自分たちがビジネスを展開している国の法や習慣、またマーケット調査もせずに、仮にも将来フルタイムで採用することも視野にいれた人材を採用しようとしているとは。はっきり言って、あまりにお粗末だ。しっかりとした視点で人材マネジメントをしないで、ビジネスは伸ばせると思ったら大間違いだと思うのに・・・ 改善してきている日本企業もあるかもしれないが、以前として現地採用(特に女性)が全うな扱いを受けていないように思い、本当に残念な思いでいっぱい。(全部の日本企業がこのような対応をしているとは思わないけれど・・・というか、そう願う)

もしかしたら日本人だからの気安さでの、↑のような対応なのかもしれないが、それはそれで非常に悲しい。時折、お互い助け合うために設置されているようなインターネットの掲示板でも中傷・傷つけあうような発言も見られるし、日本人、どうしちゃったのかしら。

でもこんな条件下の環境にいるからこそ、改めてこれまで何となく感じていただけのことを、どうやって変えていけるのか、考えて行きたい。

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