Wednesday 13 February 2013

はにかみながらも、ちょっとした嬉しさ。

時折このブログでも触れているのだけれど、オランダの特に田舎に住むようになって、いまだ少しだけ怖く感じるもの。それは、オランダ人の若者たちの視線や態度。

当然ながら自分の国である日本で過ごしていたり、留学生が沢山いたイギリスで過ごしていた頃には、自分の姿形に関してネガティブな意味で違いを意識することは少なかった。特にイギリス留学時は、「アジア」の人たちが持つ独特の姿形(黒い髪、黒い目、含め)に関し、この違いを「綺麗」「素敵」といった肯定的な「差異」としてみてもらえることが多かったように思う。

ところがこちらに引っ越してきてから、特に小さい子供・若者層の反応が少し違う。自分が異質なものであることを、まざまざと思い知らされる。日本に住んでいたことのあるオランダ人の友人たちが、彼らも経験あるとはいってはいたものの、その視線の鋭さが時に怖い。

そして、実際には、視線だけに留まらず、あったこと。大都市で歩いているときには大概、「Chinese!(中国人)ニーハオ!」といって冷たい笑いを投げかけて通り過ぎていくモロッコ系或いはトルコ系の移民の集団。また大晦日の日には地元で、10-12歳前後のオランダ人の男の子たちの集団が道を歩きながら、爆竹をならしていて、自分を見つけて、「Chinese(中国人!)」と叫び、爆竹を近くまで投げてきたり。

こうした経験があり、自然と子供や若者たちが集団で歩いていると、物凄く肩に力が入ってしまい、無事何もちゃかされずに通り過ぎたり、こちらを見ないでいると、ほっとしたり。気にしすぎなのは分かっているけれど、ちょっとしたアレルギー。

そんななか、週末に、村でのカーニバルに顔を出してみる。いくつかプログラムがあるのだが、そのうち1つは、任意でつくったグループが、仮装したり、大きな作り物をトラクターや車でひっぱり、大きな音楽をかけながら、村のメインロードを練り歩くというもの。よく作ったな!と思うようなものもありつつ、これまた若者たちのグループは少し怖く感じる。できるだけ目は合わさないようにしながら、見学してしまう。

とそんな行進も最後のグループが見えかけて、終わりかなと思ったところに、2-3人の若者たちがこちらに近づいてくる。とっさに怖いと思ったものの、我がパートナーが横にいるのでじっとしていると・・・・「一緒に写真をとっていただけますか?」と。さらに横にいる我がパートナーにも「彼女と写真をとらせてもらってもいいですか?」と。それらの表現が丁寧語で、オランダ人でありながらも最近の若者を少しうれいていた我がパートナーが、関心したように「いいよ」と。さらに調子にのって、「こっちのカメラでもとらせて!」と自分のカメラを取り出す。

あまりに不意な出来事だったので、物凄く硬い表情で写真に納まり、後で我がパートナーから「ははは、すごい緊張している」と笑われる。一方、若者たちの表情を見ると、とてもフレンドリーな優しい笑顔。これまでここで感じていたような「異質なもの=排他的にみる」は、決して全てにあてはまるわけではないのだと、何だか心が温かくなる。

誰もがこうした心持でいる訳ではないかもしれないけれど、知らず知らずに自分が壁を作っていたのも事実。ここに住み始めて半年以上もたっているので、少し肩の力を抜いて、自然体になり、他の人とは違う自分を少し肯定的に見据えて、過ごしていきたいな・・・と感じ始める。

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