Thursday 16 May 2013

健康体であること・・・羊編。

オランダに引っ越し、我がパートナー&家族が兼業経営する羊・牛牧場を、色々な事情から手伝う頻度・時間が増え、もう少ししでほぼ1年のサイクルの要所要所を体験することになる。

「家畜」という、人の手によって育てられているものではあるが、特に平日の日中は主要な働き手たちは会社勤めをしており、べったりと面倒を見たり、ケアをする訳ではないため、牧場の空間とはいえ、自然のなかに放牧されている。羊・牛の本能で「これはしたら危ない」と備わっていること以外には、言葉ができるわけではないため、「やってはいけない」と教えきることもできず、何だかだと大小問わず「危険」と日々向かい合わせ。そうしたことから、羊・牛たちが怪我をしたり、病気になったりする局面にも出くわしてきた。

ここ最近では、3月に羊の出産ブーム時には、今年はかなりの出産成功率(多産で、死産が少なかった)であり、また我がパートナー&家族の常に行き届いたケア(それ故にHard Workになってしまうのだが・・・)により、この新しい命が日々大きくなり、新しいことができるようになり、躍動感あふれる様子を横目に、何となくうきうきした気持ちになることが多かった。

更には、時折このブログで触れているハンディキャップで生まれてきた赤ちゃん羊(パトリシア)の里親となり、家のお庭で育てているのだが、今のところ順調に育ってくれて、面倒を見るための手間隙も忘れるほどに。

ただ、沢山の命が息吹く場所では、そのような明るい側面だけではない現実に引き戻される。今週急に、1匹の子羊が亡くなってしまった。常にジャンプしたり、走り回ったり、元気に餌や草を沢山食べたりしている子羊グループにいたうちの1匹。どうやら、ある日突然、食欲がなさそうに呆然としているのを発見され、何回か薬を投与したようなのだが、翌日の夕方には亡くなってしまったと。

このニュースを聞き、それまでミルクと、餌をしっかりあげて、時には広いところを走らせてあげられていれば大丈夫と思っていた、自分の里子(!)のパトリシアが急に心配に。今週またしても天候が悪い日が続き、時にはバケツをひっくりかえしたかのような大雨があり、その際に外に出したままのパトリシアを見ると、頭を少しうなだらせ、悲しそうな顔をしている。心配になって近づいても、いつもなら駆け寄ってくるのに、ぼーっと立ったまま。

何か悪いところでも出てきたのかも、、、とかなり心配になり、素人頭で、「雨にこれだけぬれれば、人間だって風邪引いちゃう。ずぶ濡れになった毛を乾かしてあげて、屋内に入れてあげよう!」と、子羊をタオルで拭いて、これまで寒い夜や極端に大雨が続くときに入れてあげていた室内の小さめの空間に隔離。ただ既に身体が日々大きくなっているのと、広い世界を知っているために(!)、箱からジャンプして飛び出そうとする。これを見ているとまた心配。ストレスためちゃってよくないのじゃないかしら・・・と。

そのような試行錯誤の日を終え、”エキスパート"の我がパートナーが帰宅。帰宅するなり、自分の心配ごとやら、何をしたかを報告すると・・・ 笑われる!タオルで拭くなんて、そんな丁寧なことしたの?とか。。そして「大丈夫、大丈夫、強く生きさせないといけないから、ある程度は自然のままにしておいてよいから」と。うーむ、簡単なようでいて、なかなか難しい。

エキスパートの言葉なので、これからは暫く自然のままにしようと思いつつも、やっぱり肌寒い日々の上、雨がざっと降り続くと、心配に。そこでせめてもと、お庭のPatricia専用のポータブル柵を、木の下に移動。これで雨が降っても、多少雨よけになるかな?そして案の定、移動した後に雨が降ると、何と賢いパトリシア、自ら木の根の横にちょこんと座る。言葉が通じなくて、直接教えることはできなくても、「野生」の勘か、自己防御のための本能のためなのか。少し安心。

こうして、パトリシア育てにより、質の良い羊・牛たちを育てている我がパートナー&家族が、何故これだけ日々大変なのか、またどんなことをしているのかも理解でき始めた。またこれからも引き続き、パトリシアが、出来る限り健康体で元気に育ってくれることを願って。





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